~SDGsシリーズ(2)~
1993年、所属していた千葉県の出先研究機関で、組織改編によって初めて創設された「環境教育研究科」の第一期メンバーに、幸運にも選ばれ、4年間を過ごすことができました。
その後、史上初の、文部省と環境庁(いずれも当時)合同にて「環境教育の総合的推進」委員会が立ち上がり、1993年のインドネシア参加メンバー3名は、文部省(当時)側7名、環境庁(当時)側8名の中に偶然にも全員エントリーすることになりました。この17名の委員のひとりに選出していただき、1997~1999年の3年間で、日本の環境教育の基本方針策定に携われたことは、今も貴重な財産になっています。
1997年からの4年間は、日本生態系協会に新たに創設された教育企画室の初代室長を務めさせていただきました。1997年には、イオン財団から得た研究助成によって、ドイツ・ベルギー・ノルウェー及びOECD環境事務局、EU環境省、アメリカ合衆国、カナダ、及び北米環境教育学会大会への参加など歴訪の旅に参加し、世界の地球環境問題への対応と、教育へ直結した官民の活動をナマで知る貴重な機会となりました。またこの4年間に、2名の室員と1名の敏腕編集者が中心となって「学校ビオトープ~考え方・つくり方・育て方」(2000年/講談社)「環境教育がわかる事典」(2001年/柏書房)を相次いで世に送り出すことができました。
(1)日本の古い環境教育とはひと言で言うと「環境について学ぶ時間」です。
(2)世界の先進的な環境教育は「環境解決に適切に行動できる国民育成」です。
このどちらが、人類の命や経済社会や地球環境の持続可能性(サステイナビリティー)を現実化するか、と問えば、明らかに(2)です。
30年前。日本で結集した初期の環境教育の精鋭戦士の皆さんと行動を共にできた幸運は、早くに(2)に気づくことができたことです。
2015年に南アフリカ開催の国連サミットで採択された「SDGs」。まだまだ多くの日本人が実感を持って行動できないのは、まさに、
「環境について知識をいくら学んでも、人類や地球の命が危険にさらされる大問題を解決する個々の力がない」
ということを、証明しているかのようです。
サッカーナショナルチャレンジャー本田圭佑選手が、2013年6月5日(誕生日直前の26歳当時)の日本代表(2014FIFAワールドカップ出場決定)会見で、今何が必要か?の記者からの質問に、
シンプルに言えば「個」ですかね
と答え、もちろんチームプレーが日本の最大の長所ではあるのですが、との言葉に続けて、当時の日本代表ひとりひとりの長所と活躍ポイントを的確にすべて流れるように指摘した言葉。今も日本のサッカー史に残る有名な出来事となっています。
日本のSDGs活動に最も欠けているのも、まさに
「シンプルに言えば個」
と、いえそうです。日本人は、右へ習えという模倣の模範がないとき、弱さが出ることが多いのかも知れません。
「ウチの会社が、らしい個性を発揮しながら、どう、SDGs企業として世界にも認められる実績をつくるのか?」
実は、道はいくらでもあります。ぜひご相談ください。
(赤井 裕)